わすれっぽいきみえ

みらいのじぶんにやさしくしてやる

映画『ジョーカー』を観た

去年とても話題だったし観たかったけど観に行けなかったのをようやく観た。

ジョーカー(字幕版)

ジョーカー(字幕版)

  • 発売日: 2019/12/06
  • メディア: Prime Video

あらすじ

病弱な母と二人暮しのアーサーは道化師の仕事でその日その日をなんとかやり過ごしていた。ある日、路上で靴屋の宣伝をしていたところ悪ガキに宣伝用看板を奪われ、取り返そうと追いかけた先で暴行されてしまう。道化師の事務所に戻ると同情した同僚が護身用にと拳銃をくれた。しかしこの拳銃を持ってからアーサーの不幸はさらに深まっていくのであった。

感想

ホアキン・フェニックスは『グラディエーター』の皇帝コモドゥス役がめちゃくちゃハマり役でとても悪役が似合うイメージだった。だからあのときみたいな悪役をするのかなと想像していた。

簡単に『グラディエーター』のコモドゥスを説明すると嫉妬心と虚栄心から殺意をむきだしにする皇帝。この記事は『グラディエーター』の記事じゃないから詳細は省くが、とにかく徹底的に主人公に嫉妬し主人公周辺の人を殺しまくって、最後には主人公を相手取って自ら闘技場に出て自分の手で主人公を殺そうとする。

対してジョーカーははじめは母と二人暮しの気の弱いピエロだったが、とあるきっかけで拳銃で人を殺してしまってからはだんだんと気が大きくなってきて、自分の出生の秘密を知って以降ますます壊れていき殺人自体をショーにしていく。殺すことにためらいがなくなってしまう。

元の性格が違う二人が共に殺人を見世物に仕立て上げる。見せしめでもあり、娯楽でもある。そういうところが似てると思う。

だがコモドゥスと比較するとジョーカーはなんかあまりにも不幸すぎて、だんだん壊れていくのは妙な納得感があった。特にアパートの同じ階に住む女性に対する妄想は自分の心を救うためならジョーカーでなくともやっちゃうんじゃないかな。壊れきってしまった人が殺人ショーを披露するのはストーリーとしては自然に感じてしまった。精神が破綻したからといって殺人が許容されるわけではないが。

違和感があったのはバットマンのジョーカーってなんだかんだで用意周到なところがあると思ってたのに、今作のジョーカーはいきあたりばったりなこと。まだバットマンが世間をにぎわす前でこれからジョーカーとして極まっていくんですよってことかもしれんが、この作品に出たジョーカーが将来バットマンの好敵手となるほどヴィランとして成長するイメージはあんまりわかなかった。ジョーカーって無敵の人で面白半分で犯罪するんだけど、その裏できっちり逃げ切る算段をつけてたりする狡猾さがあるから、ちょっとこのジョーカー弱くないですか?って思った。まぁ信者が生まれてそうではあったから、うまく利用していくのかなぁ。

少なくとも私の周りの人が興奮するほど私も興奮できる作品ではなかった。しかしホアキン・フェニックスの演技が抜群だったのと役作りだとわかってるけど病的にやせた体は観る価値ありだと思う。

参考

グラディエーター (字幕版)

グラディエーター (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video

何度も観た映画。面白いのでぜひ観てみてほしい。リドリー・スコット監督作品だったらキングダム・オブ・ヘブンもよい。

次回もホアキン・フェニックスの作品を紹介したい。