わすれっぽいきみえ

みらいのじぶんにやさしくしてやる

アニメ『妄想代理人』一気見した

今敏が原作の『妄想代理人』を観た。

あらすじ

月子は大人気キャラクター『マロミ』を作った、今売れっ子のデザイナー。しかし『マロミ』以降、次のキャラクターを生み出せずスランプに陥っていた。事務所のオーナーから再度プレッシャーをかけられて精神的につらくなっていたある日の夜、理由なく道の途中で急に不安に駆られて走り出し、勢い余ってこけてひざを擦りむいた。思わず涙を浮かべながらうずくまっていると金色のバットに金色のローラーブレードを履いた少年によって突然頭を殴られてしまう。そこから『少年バット』による無差別通り魔事件が連続して起こるようになるのだった。

感想

ホラーテイストなアニメ。まぁものすごく怖がらせるというよりはだんだん現実と虚構の境目がわからなくなっていく感じ。そういうのは今敏らしくて、今敏のほかの作品を知ってるとよりおもしろいかも。私はこれまでに『パーフェクト・ブルー』、『パプリカ』『東京ゴッドファーザーズ』の3作品を観たことがあって、この中でいうと『パプリカ』が近いかなぁ。

一応話自体はつながってるが、1話完結として観ても比較的問題なく観れる。個人的には第3話の『ダブルリップ』がよかった。解離性同一性障害を扱うのは『パーフェクト・ブルー』に近いなーと思いつつ、もう一人の人格が否定されたことで主人格に反撃を企てるところは実際にありそうでよかった。

映画だったら2時間程度なんだが、アニメで13話は若干中だるみ感があった。特に一度少年バットと思われる容疑者を逮捕してからがグズグズっとして、第8話の『明るい家族計画』から第10話の『マロミまどろみ』は冗長に思った。人によってはそれらのストーリーも箸休め的に楽しめるかもしれないが、私は一気見したのもあったので「これ関係なくね?」って気持ちがぬぐえなかった。

オチは人を選ぶかも。「おおーこういう終わり方なのかー」って納得できる人と「はぁ?」ってなる人など感想が極端に分かれそう。私は「すっきりはしないな」と思った。特に少年バットを追ってた2人の刑事のうちの1人、馬庭はかわいそうな終わり方だった。刑事たちが一番熱心だったのに一番救われないラストになっている。結局一番妄想に取りつかれていたってことか。

関連映画

もうちょっとサクッと今敏の世界に触れたいなら『パプリカ』のが手軽。シリーズアニメはやっぱ長い。

kimikimi714.hatenablog.com

もっとホラー要素強めでいきたければ『パーフェクト・ブルー』の方がいい。ただし凌辱シーンなども含まれるので苦手な人は気を付けたほうがいい。まぁまぁグロい。これはまた観たいなー。

現実と虚構がわからなくなっていく映画でいけば『インセプション』もよい。『妄想代理人』とはストーリーはだいぶ違うが、前提は結構近いと思う。

インセプション (字幕版)

インセプション (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video