組織パターン (Object Oriented SELECTION)
- 作者: James O. Coplien,Neil B.Harrison,ジェームス・コプリエン,ニール・ハリソン,和智右桂
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2013/08/06
- メディア: 大型本
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これもまたセールか何かで見かけて、どんな内容が書いてあるのかざっとサンプルを見てから買って読んだ。
何らかのプロジェクトを進めるにあたってどんな風にチームを作っていくか、どんな人がどこでうまくハマるのか、つまり「ある状況に対してどういうパターンを適応するとうまくやっていけるのか」を書いた本。条件、環境、前提に重きがおかれていて、「まずこういう状況がある」「それにはこれを適応すると良い感じにやれる」というのがずらっと書かれている。
ものすごくいろんな状況が書かれているので、自分がおかれている状況を考えた上で読むと何が役に立ちそうか見つけられるかもしれない。かつ良い前提条件ばかりが載ってるわけではないことも逆に好印象だった。「失敗プロジェクトの通夜」とか「誰か一人を犠牲にする」とか「トラックナンバーはほどほどに」とか、なかなか心にクるものがあるパターン名が付いてたりする。そして救われない状況だとわかった上で善処するみたいな話だったりする。
この本について個人的に混乱したのは人物のロールとチームのマネジメント手法がパターンという言葉に全部ひっくるめられて説明されていることだった。「こういう人の役割は〇〇というパターンに当てはまる」というのと「こんなときには〇〇を実行すると良い」が交互に出てきたりして今どっちの話をしているんだろうかと思うことが多々あった。とはいえロールとマネジメントは相互作用するものなのでどういう本文構成にするのが良かったかは私にもわからない。パターンという言葉が広すぎる、という程度問題な気もする。ロールとマネジメントで説明分けたら分けたで混乱するかも。
チームメンバーのロールとして「防火壁」「パトロン」「賢い愚者」「門番」「婦長」あたり、実際にこういう人いるわそういえば、と思いながら読んでた。案外なるようになってるんだな、という再確認になった。もし何かうまくいかないなぁと思ったら、必要だと思うロールを担う人物が欠けている可能性が高い。すべての状況にすべてのロールが必要なわけではないけども、ざっとパターンを知っておくと今何が欠けているのかを知る手がかりにはなりそうだと思った。