日本でずっと開催されてこなかった春画展がついに開かれるというので行ってきた。春画はだいぶ雑に紹介すると昔のエロ漫画。浮世絵は見たことあるけど、その中の春画は見たことがなかったので、どんなものなのか気になっていた。この展示会はR-18指定になっていたので余計面白そうと思って、めっちゃ期待していた。
行ってきたけど家にケータイ忘れて行ったから画像は一個もない。見るなら以下の公式サイトとトゥギャられたやつにいろいろ載ってるので、それを見るといいと思う。
行くなら平日がいい。祝日はものすごく混んでいて並ぶことになる。永青文庫という会場自体が非常に奥まったわかりにくいところにあり、かつそんなに広い会場じゃないので、入場制限かけててもそれなりにぎゅうぎゅう詰めになる。
それなりにエロい話なので、知りたい人だけ読めばいいと思う。印象的なものが結構あったので、一個ずつ書いていく。
まずほとんど着衣だった。着物の模様がすごくきれいで細かいんだが「いや…ちょっとその着物汚れるし、やめた方がいいんじゃないかなぁ…」と思った。普通に白い液体描かれてたし。しかも白い絵の具を使って筆で書いてるから垂れてきている様子と絵の具の乾いてる感じが妙にリアルで現代のエロ漫画よりも生々しい。
甲冑着たままの春画は頭おかしい。なんか内容盛り込みすぎて理解に苦しむ。相手の男は実は狐が化けたやつで、女性には夫がいるのでシチュエーション的には異種姦寝取られ。パッと見では男が女に覆いかぶさってるだけで、見ようによっては言い争ってるように見えるから春画だとわからないんだけど、草摺のところだけ紙が浮いていて、そこをめくると…という作り。盛りすぎ。確か元は遊郭に置かれていた屏風絵で、初めからあけすけに見せるより少し隠して気分が乗ってきたらめくってみる遊び心、みたいなことが解説に載ってた。
大人のおもちゃ・張形の品定めをしている絵もあって思わず「マジかよ…」とつぶやいてしまった。箱の中にいろんな色の張形が入ってて、男性の商人がそれを見せつつ結構な数の女性が選ぶ様子だった。それがまた変にリアルで女性が明らかにコレジャナイみたいな悩んだ顔して選んでて面白い。一人が張形を装着しているレズの交合絵まであって、ファッ!?て変な声出た。
もちろん『蛸と海女』もあるんだけども、科白書き起こしと「科白は全て北斎自身が書いたものとされています」と解説まで書いてあって、マジキチ感がすごかった。実はニコニコ大百科で科白は読める。
赤ちゃんを抱っこしたまま性交してる絵があったりとか、処女を守る必要のある斎宮が縁側で男性を誘い込み行為に及ぶまでを描いた絵巻物だとか、心中した男女のうち男性だけが生き残って恨んだ女性が男性の局部を食いちぎって昇天する絵とか、江戸時代の女性が生き抜くために必要とされるマナーをまとめた本をパロっていろんな性交をマナーだといってまとめた本だとか、銭湯にたくさんの女性が裸でいるのを見て興奮してしまった男の子を別の男の子が指差して笑ってる絵とか、本当に種類には事欠かない。下からのアングルでまとめた本もあったり、すさまじいエロを見せつけられてお腹いっぱいだった。
ちょっと気になったのはあまり表情が変わらないように見えることだった。基本的に頬が紅潮した絵もないし、顔も笑ってるのか真顔なのかあまりわからないなと思うことが多かった。会場にいたある女性が「全部同じに見える!」と言ってご立腹の様子で、そばにいた男性が困惑してたことからも、あぁ同じように感じる人いるのねと思った。でも一部の絵では男性の目が異様にギラついてるように見えるものだとか、眉のないお歯黒の女性が眉間にしわを寄せていたりだとか、これまで見てきた浮世絵とは表情が違っていて、普通よりは豊かなのかなぁとも思った。女性が悶えてるの見て男性がにやついてるように見える絵とかあったし。たぶん会場にいた女性も私も全然浮世絵を知らないってことだと思う。
あと英語のタイトルも載ってたんだけど、日本語名の方が圧倒的にカッコ良かった。例えば『色道取組十二番』という絵の英語題は『Twelve Couples』で、いやそーなんだけどさーでもなんかちがーうと思って見てて、漢字って偉大だなぁと。『金瓶梅』、これはそもそも日本発祥じゃなく中国の小説だけど『The Plum in the Golden Vase』と訳されてて、合ってるし他に訳しようがないし音をそのままつけても意味わからないのもわかるけどコレジャナイと思って見ていた。
もともと先に大英博物館で開かれたものだったから海外の反応をまとめた文が書かれてたりもして「『日本人がこんなに性に対しておおらかだとは知らなかった』という反応が多く、『真面目で静か』『あまり感情を表に出さない』などのイメージが変わってしまったようです」とあって、まぁせやなーと思った。現代の日本人が見てもご先祖様やりすぎですって思うし。
追記(2015-10-07)
残念な感じもあるけど新しい技術を流行らせたいならとっととエロコンテンツと絡めたほうが普及するな
— あばろ (@abalol) 2015, 10月 7
本当にエロで技術は発展してるからな。
春画もそうやったけど、昔先生が言ったいくつかのことが忘れられんし。
「いかに高画質エロ動画を回線細くても見れるようにするか」
「HDDがペタバイト時代になったら、家にあるエロDVDが全て一つのHDDに入る」
— きみきみ氏 (@kimikimi714) 2015, 10月 7
やっぱ春画展で「超絶技法」って言ってエロ紹介されてるの胸熱やったな。
— きみきみ氏 (@kimikimi714) 2015, 10月 7
もうやめよう
— きみきみ氏 (@kimikimi714) 2015, 10月 7